ワタシの33歳での転職活動はかなり厳しい状況でした。
年齢的には最後の転職活動になるだろうと思うと緊張感と不安が押し寄せてきました。
求人の募集案内を眺め、年齢制限の欄をみるたびに不安になったことを今でも思い出します。
転職を繰り返すことで、キャリアアップではなくどんどんキャリアダウンしてしまう。
そのため給与も低くなってしまう。
そんな負のスパイラルを感じました。
20代のころは何となくアルバイトでもしていけば何とかなるだろうと、安易に明るい将来に期待をしていましたが、いざ30歳を超えてからの転職活動をしてみると自分の市場価値のなさに愕然ととすつことが多く、暗い気持ちになりました。
33歳の転職活動はワタシにとっても崖っぷちの転職活動だったのです。
ワラにもすがったハローワークの無料相談コーナー
ハローワークで失業保険の手続きをしているときのことです。
待合席で待っているとハローワークの「無料相談の掲示板」に目が自然と行きました。
ワタシは普段はあまりそういった相談をすることがありませんでした。
特に「無料」ということばが付くものは「怪しい」という反応をすぐにしてしまうので、特に無料相談といった類のものには近寄ったことがありませんでした。
何度か転職活動を重ねてきた今は崖っぷちです。
その不安から、ふとその掲示板に目が留まりました。
今回の転職活動をするまでは、アルバイトをしながら食つなぐという不安定な生活を送ってきました。
そんな生活の中では、国民健康保険の手続きや年金手続きの相談などを行政窓口の相談員にアレコレ質問をしたり相談をしてきました。
そのたびにアドバイスを受けて適切な対処方法を学んで来ていたことが、これまでの「無料相談アレルギー」を緩和していたのかもしれません。
区役所や市役所、あるいは年金事務所などの窓口では、専門の相談員の方の知識とアドバイスにだいぶ助けられてきました。
ここまでの経験が、今回も「相談をしてみようか」という気持ちにさせたのかもしれません。
実際、年金の仕組みや社会保険の仕組みは、転職するまでは興味もなければ知識もありませんでした。
しかし、自分自身が転職活動を何度かして生活の困窮を極めると、日本のセーフティネットの充実ぶりを知ることになりました。
それらの各種制度に助けていただくことに感謝するとともに、無料相談によって「知識」という貴重な援助を得られることの大切さを痛感したのでした。
そういった「下地」があったからかとは思いますが、ハローワークの相談員の方に対しても、「教えていただく」という感じで相談に臨んだのでした。
今の時代はインターネットで何でも自分で調べられるようにはなったかもしれませんが、それなりに時間はかかるでしょう。
多くの経験してる方のアドバイスを無料で受けられる機会があるのであれば、それは利用した方が効率的でもある上に、自分の体験・経験といった点でもメリットがあることだと思います。
今となってはそんな風に思えますが、当時のワタシはワラにすがって助けを求めたのが、ハローワークの無料相談コーナーだったのです。
ハローワークの相談員との相談の仕方
相談員に相談すれば、すぐに就職先が決まるほど、転職活動は簡単ではありません。
相談に行って次の日に面接で合格できる魔法のようなものはありません。
相談をしながら、自分を見つめなすことを、二人三脚で行っていくことになるのです。
特に、職務経歴書の作成支援はぜひとも利用した方が良いと思います。
ワタシは職務経歴に3年間の無職の期間がありました。
もうそれだけで希望するような条件の就職先は無理だろうなと考えて、半ばあきらめていました。
そのため、当初ハローワークの相談員に相談する前は、次の就職先で「ゼロから再スタート」することを考えていました。
全く新しい業界で、何でもやるので、もう一度ゼロからやり直そうと思ったのです。
そのことを相談員に話すと、こんなことをアドバイスしてくれました。
- ゼロから業界や職種を変えても転職は難しい
- 年齢的にもゼロから経験を積むのは遠回りすぎる
- これまでの経験を活かして伸ばしていけるような会社を探すべき
- 経験の断絶は、万が一の将来の次の転職にも影響する
- ここでもう一度じっくり自分のやってきたことを見直してみましょう
たまたま、ワタシが良い相談員に巡り合っただけなのかもしれません。
しかし、良い相談員に巡り合っても自分に準備ができていなければ、その良いアドバイスも聞き流して終わりです。
当時のワタシは、素直に相談員のアドバイスに従い、自分自身の職務経歴を見直す作業を始めたのでした。
その後、職務経歴書を作成して相談員に添削、アドバイスをもらいました。
やはり第三者の視点、つまりは面接する側からの視点でアドバイスをもらえるのは良いことだと思います。
アドバイスといえば聞こえがいいですが、要するにダメ出しです。
この書き方ではダメだと教えてくれるわけです。
ダメなものはダメと教えてくれるのです。
もし、一人で転職活動をしていたら、この最初に作成した職務経歴書をもって、そのまま書き換えることなく、何度も何度も求人募集に応募することになるでしょう。
その手に持っている職務経歴書は、もし事前に相談をしていれば相談員からダメ出しをされることになる「粗末な職務経歴書」なのです。
そんなものを持ってウロウロと手当たり次第に転職活動をして、良い結果が出るものかどうか、考えなくても答えは出ています。
粗末な職務経歴書を持って面接に臨むのは、手ぶらで戦場に向かうのと同じです。
ただ、実際の面接ではどこがダメなのかは教えてくれません。
ただ単に「不合格」「ご縁がなかった」と言われるだけです。
実際の面接では「あなたの書いた職務経歴書ではあなたのことが良く分かりませんのでもう一度書き直してから再度面接に来てください」とは言ってくれないのです。
面接の前に職務経歴書を添削指導もらうことは絶対に行うべきことだと思います。
しかもハローワークなら無料なのです。
ワタシにとって職務経歴書の添削指導の繰り返しは、自分を見つめなおす機会でもありました。
- 今まで何をしてきて、これから何をしたいのか
- 自分にとって何が一番大切なのか
- 仕事を通じて何を実現したいのか
そんなことを毎日考えては何度も何度も職務経歴書を書き直して添削指導をしてもらうのです。
それを二人三脚で深めていくことができるのです。
しかも無料なのです。
そうして練り込んで作成した職務経歴書ができたところで、相談員の方が提案をしてくれました。
「そろそろ面接を受けてみましょう。これならたぶん通ると思いますよ」