ワタシの履歴書にもかんたんにかきましたが、ワタシは社会人になってから何回か転職をしています。
転職をするためには、今の会社を辞めないと次の会社にはいけないので、今の会社を辞めるべきか悩むことになります。
今の会社にいた方が良いのか、辞めても次の仕事が見つかるのか、次も同じように辞めたくなるような会社だったらどうしよう、と不安や心配は尽きないものです。
明日にでも会社を辞めるべきか、もう少し何年か我慢して会社に残るべきか。
大きな決断ですので、ふつうの人たちは迷って悩むことになるのです。
ワタシが就職した最初の会社はブラック企業
ワタシは大学をふつうに卒業することができましたが、ちょうど就職難と言われるような時期であったため、ワタシのような取り立てて特技も特徴もないふつうびとには、なかなか良い就職先がすぐに決まるような環境ではありませんでした。
とはいえ就職浪人をするわけにもいかないので、とにかく新卒で就職することだけを考えて、多くの採用人数を募集している会社を中心にエントリーしていきました。
就職したのは大手の上場会社ではありましたが、営業職での採用であり、その仕事の厳しさは情報の少なかった当時でもそこそこ聞こえてくるような会社でした。今なら口コミサイトがあるので、事前に確認できたかもしれませんが、ふつうのワタシはいわゆる「情弱(情報弱者)」なのでした。
今でいうブラック企業なのですが、当時のワタシは若かったので、なんとかなるだろうとお気楽に考えていました。
しかし、いざ入社してみると想像をはるかに超えていました。入社してしばらくしてからの感想は「社会人ってこんなに怒られるんだ」というものでした。先輩もふつうに怒られているし、ワタシも当然ふつうに怒られます。
ふつうに「お前は外でずっと掃除していろ!」みたいなことがあり、小学生レベルの懲罰のようなことも当たり前のようにありました。
営業成績の追及は厳しく、営業目標を達成できなければ、研修と称して休日出勤させられます。研修では罵倒と反省からはじまります。当然朝は早く夜は遅く。残業代など出るわけもありません。そのぶん初任給もそこそこ良いわけなのですが、社会保険などで天引きされれば、手取りはアルバイトをしていた学生の方が多いくらいでした。
お客さま相手なので大型連休中も休みはありません。皆が休むときにこそ稼ぎ時のような会社でしたので、年間の休暇も100日に届くはずもありません。
そして毎月毎月営業成績はゼロからはじまるので、今月成績が良くても、1日からはゼロからのスタートです。
数字(営業成績)が人格となり、数字を上げないものは人ではないような扱いとなります。
そんな中でも「スゴイ人」は、楽しみながら競争に励む営業マンがいます。
ワタシは「ふつうの人」ですから、成績もあがるはずはなく、楽しくなんかありません。
先輩中でも「ふつうの人」である先輩は「はやく辞めてぇ」「辞めて次は何しようかなぁ」と毎日愚痴をいっているような状態でした。ただ、やはり辞めた先に何が待っているのかが不安でなかなか先輩も辞める決断をすることはありませんでした。
一言でいえばブラック企業。
だけど、給料はそこそこ良くて、若くても同時期の別の会社の友人よりも給料は良かったです。
20代の入社5年目でも500~600万円程度もらっていたと思います。
そのため、先輩たちも今受け取っている給料を考えると、すぐには会社を辞められず我慢することになっていたのです。
ワタシが会社を辞める決断をした体験談
休みも少なく、朝から晩まで長時間仕事に拘束され、営業成績だけを基準に罵倒されつづける生活が続くと、成績さえ上げればこの苦痛から免れられるという感じになって、次第に目の前の数字だけを追うようになって、ふつうの人は精神的に追い詰められてくるものです。
ワタシも何かが違うと感じながら、数字しか見えなくなっていきました。
そして、苦痛で苦痛でもはや限界というところまで追い詰めれらました。
その時も辞めるか辞めないか迷っていました。
辞めてこの先どうなるのか。
次の仕事は見つかるのだろうか。
しかし、辞めなければ今の苦しみは続くのです。
その時、ふと「もし外国人がこの会社にいたら仕事をこのまま続けるのだろうか?」と思ったのです。
ワタシはふつうの人ですので、外国人の友達はいません。
アメリカ人の友達はいませんが、アメリカ人の考え方は何となく分かります。
- 仕事とプライベートはきっちり分ける
- 残業はしない
- 休暇はたっぷり休んで家族と過ごす
- 自分の時間を大事にする文化
- プライベートが充実していなければ良い仕事はできない
- 人権が守られなければ訴えることも辞さない
ブラック企業で働くということ。
それは、自分の時間を削って売る行為。もしくは、会社の奴隷。
そんな状態を最も好まないアメリカ人ならば、サッサと辞めて慰謝料を請求するくらいするかもしれない。
なのに、なんでワタシは我慢しているのか。
今の会社を辞めても別の世界が必ずある。
日本になければアメリカに行ってもいいじゃないか。
今の会社はワタシには向いていないのだ。
向いている会社を探せばいいし、向いている会社がなければ海外で仕事をしたっていいじゃないか。
もちろん、ワタシは英語も話せないふつうの人です。
それでも、第三者的な視点で別の人物、たとえば外国人になったつもりで考えてみると、何を悩んでいたのかと、答えがはっきりしてきたのを今でも思い出します。
「you 何でそんな奴隷みたいな会社にいつまでもいるんだよ。俺ならそんなとこ、すぐ辞めちゃうyo!」
まず辞めると決断してから準備をする
ワタシは何度も言いますが「ふつうの人」なので、すぐに辞表を手にして「今日で辞めます」なんてカッコいいことはできませんでした。「スゴイ人」にはできるのでしょう。
ふつうの人は、まず「この会社を辞める」としっかり決めることが大事です。
ココをしっかり決めないと、周りの意見にすぐに左右されてしまいます。
周りに相談してしまうと、「やっぱり先行き不安だし、先輩も辞めないみたいだし、もう少し我慢するか」となりがちです。
まず、辞めると決めること。
- たとえ残業代をもらっていても、貴重な自分の時間をお金にかえるだけの生活は、会社のために自分の時間を無駄に使っているだけで、全く自分のためにならない。
- 罵倒されるような環境で毎日過ごすのは楽しくないし、そんな場所に長時間いる自分がかわいそう。
- 仕事やお金よりも、一番自分の時間がなくなるのが悲しい。
- 自分の時間を売ることはできるが、自分の時間を買うことはできないのだから、自分の時間はお金よりも価値がある。
- 自分の時間が一番大切。
- 仕事はいくらでもある。
- 今の会社だけしか見ないで定年するなんて地獄で一生を終えるようなもの。
- 今の会社に拘束されていた自分の時間を他のことに使って、自分のために好きなことをすることができる。
- 今の会社にいることは全く価値がないので、辞める。
辞めるとはっきり決めれば、頭のモヤモヤが晴れてきて、辞めた後どうするかということに頭が切り替わります。
会社を辞めようかどうしようか悩んでいた悩みがなくなるのです。
心の中で先に今の会社と決別できると、会社に居ながら次の仕事への準備もできます。
スゴイ人は、辞めると決めればそのタイミングで辞表を出すのでしょう。
ふうつびとは、この会社を辞めると密かにしっかり心に決めて、辞める準備に着手したのです。