アメリカンな株式市場は凄腕投資家が世界中から集まってきています。
そんな中に何の取柄もないワタシのようなふつうのひとが参加して果たして勝ち目はあるのでしょうか。
「死んだふり作戦」をやってみようと思いついたのは、どこかの証券会社の統計データで、証券会社に口座を持つ個人の中でもっともパフォーマンスの良かった属性を調査した結果が、「死んだ人の口座」という結果を見たからでした。
本人は死んでしまったのに親族も株のことは良く分からないので、そのままにしていたのでしょう。
ご主人が亡くなって奥さんがそのままにしておいて、その奥さんが亡くなったあとにお父さんの口座を見つけて相続人の子供たちが喜ぶということなのでしょう。
証券会社にはあまり良いお客さんではないかもしれませんが、「売買をしないこと」「買ったら売らない」「頻繁な売買はしない」ことが、もっともパフォーマンスが良いのかもしれない、と考えたのです。
実際に「死んだふり作戦」を始めてみると、それを裏付けるような話はいくらでも目にするようになりました。
- バフェットが奥さんに勧めるならS&P500に投資してそのままほったらかしにしておく
- 個人投資家の最大の武器は「時間」(=つまり長期ホールド)
- 株価は必ず上昇するようにできている(広木隆氏)
思ったよりも少ないか…。
コロナ相場で何が起こったのか
そんな中でこころの支えになっているのが、マネックス証券の広木隆のマーケットトークです。
モーサテでおなじみの広木さんが毎週マーケットに関する情報をライブ配信してくれています。
特にコロナパニックの時には、早い時期から「コロナパニックは一過性」「仕込みのタイミング」「コロナが去ればV字回復する」「二番底は来ない」ということを理論的に説明してくれていて、安易に持ち株を手放すようなこともありませんでした。
そして、コロナの底をほぼ的中させたと感じています。
以前からモーサテで広木さんのことは観ていましたが、いつも強気で極端な予想をするひとだなあと感じていました。
常に日経平均の年末予想は誰よりも高い予想をするようなイメージを持っていました。
しかし、今回コロナ騒動の中で広木さんの印象がだいぶ変わりました。
その一つがそきほどの「株価は必ず上昇する」ということでした。
コロナが流行しはじめて株価が急落して少し株価が回復したたころ、この先2番底は「あるのか」「ないのか」という議論があちこちでされていました。
その中で、広木さんが強調していたのが「日本の上場会社はこれまで利益を積み上げてきているので、これ以上下に株価が落ちることはない。」と日経平均のPBRを基準に下値を予想し、「2番底は来ない」と予想していたことでした。
コロナショックで総悲観になっていた2月下旬から3月にかけて、広木さんは日経平均のPBR1倍割れの水準はリーマンショッククラスでさえも0.8倍であったことを理由に、PBR1倍以下では買いが入る水準であるとして、その付近が底であると予想していました。
リーマンショックの株価の底は6,000円とか8,000円とかでしたので、総悲観の中では、今回のコロナショックで10,000円割れるのではないかとみんな戦々恐々としていました。
その中で10,000円割れなんてとんでもないと広木氏は説明してくれたのです。
つまり、リーマンショック以降の日本の上場企業はその頃か成長を続け、資本を積み上げてきていて、日経平均全体の純資産も増えてきているのです。
その純資産を「大幅に下回る水準の株価が付くはずはない」ということです。
結果としてその通りになりました。
PBR1倍前後の水準で日本の株価は反転し、V字回復することになったわけです。
株価を下支えしているのは企業の純資産であるので、成長を続けることが使命とされる株式市場は、「必ず上昇する」運命にあるのです。
その成長が最も良く分かるのが、米国株価、特にS&P500指数です。
この数十年の株価チャートを眺めてみれば、米国株式市場は純資産を積み上げて、右肩上がりに成長していることが分かります。
2番底については、今回のコロナショックは、金融システムの崩壊というリーマンショックとは「質」が異なり、はやめの経済対策を打ち出している上に、コロナさえ収束すれば収まる話であり、収まった後には巨額の財政支援が株価を支えることになると説明していました。
今となってみれば、同じことを言う人は増えていますが、当時のコロナパニックの中でこうした一歩も二歩も先を見て指摘できるのは、ふつうのワタシには並大抵ではないと感じます。
そして、直近のマーケットトークで広木さんが話していた印象的な言葉があります。
資本市場の宿命でもはやアメリカ株は上がるしかない。アメリカ株はそういう構造になってしまっている。
これはワタシも薄々感じていたことです。
アメリカの株価がおかしくなれば、アメリカは全力で経済対策をします。
コロナショックではFRBが異次元の金融支援をいち早く実施しました。
世界の株が不安定になれば、やはりアメリカ株に資金が流れていきます。
その資金はそれぞれの企業の純資産となってさらに株価全体を底上げして下支えすることになるのでしょう。
こうして考えてくると、広木さんが株価予想にいつも強気な理由が分かります。
「今後の株価が、上か下かと聞かれれば、そんなもん上に決まってるでしょ」と広木さんなら言いそうです。
株価が必ず上がるならば、株価予想はいつも「上がる」と予想しておけば、いつの日か必ず「当たる」ことになるのです。
そう信じて、今日も「死んだふり作戦」でホールドします。