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崖っぷちの転職活動

会社を辞めると後悔するかも?浪人生活からの転職活動

投稿日:2020年3月2日 更新日:

石の上にも3年の期限が終わり、いよいよ切羽詰まってきました。
すでに30歳を超えていて、しかも履歴書に就職の空白期間が3年もある上での転職活動は厳しいものでした。
面接をする側に立って考えれば、それは分かります。

会社を辞めて独立できる資格を取得に失敗したから御社に就職を希望します。

そんな勝手な人はどの会社も採用したくはないだろう。

そこで私はまず履歴書の空白を埋めることに専念しました。

無職の期間があるのはヤバいわ。

いまさらながら悟ったのです。

兎に角どこでも良いから就職して職歴を積まなければならない。

ハチャメチャベンチャー企業で見えたこと

履歴書の空白を埋める魂胆を持った人を採用してくれるのは、人材が集まりにくいベンチャー企業くらいしかありません。
兎に角はやく就職実績を作る必要があったので、どこでも良かったわけです。
そうは言っても1年も経たずに辞めてしまっては、そっちの方が履歴書にはマイナスでしょう。
ここでも石の上にも3年方式で、3年は耐えられそうな所をピックアップしました。
条件は雇用保険と社会保障がきちんとあるところ。
そして休みが確保されていること。

なんとかベンチャー企業に潜り込むことに成功しました。
しかし若い企業というのは何もかもが手探りの状態でした。
少ない人材であれもこれもやらないといけない状態で、想像以上の混乱ぶりでした。
忙しい原因は組織が未熟であることからくるものばかりでした。

  • 請求書のシステムの根本的な間違いの訂正
  • 顧客への連絡事項の間違いの訂正
  • クレーム対応の際の言葉遣いの間違いによる謝罪
  • あれどこやった?の捜索時間
  • 「次何やろっか」会議

それはそれで楽しいのですが、日々慌ただしく「こなす」だけの日々。
次々に社員が辞めていき、気が付いたら現場責任者になっていました。

その一方でベンチャー社長は毎日会社拡大のためのアイデアを持ってやってくる。

「ねえねえこれ、いいと思わない?」

どこかで聞いたことのあるようなアイデアを持ってきては、これを一から始めようと鼻息荒く興奮して話し終わると、現場の混乱をよそにさっさと社長は帰ってしまう。

経営者と労働者の差を痛感した瞬間でした。

現場責任者の実績を1年積ませていただき、責任者の経験ありと履歴書に書いても大丈夫な状態になったときに、石の上にも3年にはまだ少したりませんでしたが、そのベンチャーを退職したのでした。

33歳での転職活動

年齢は33歳になっていました。
もう、失敗は許されない年齢です。
骨を埋める覚悟で就職する必要があります。

しかし、転職市場ではそろそろ厳しい年齢に差し掛かっていました。
リクナビ等の転職サイトにも応募したりしましたが、自分の年齢とキャリアを眺めてみると不安が大きくなってきました。

そこで、ベンチャー企業でもきちんと雇用保険に入っていたので、失業保険をもらいながらハローワークの職業相談を利用しました。

ハローワークの職業相談は無料で行ってくれます。
知らない人もいるかもしれませんが、面談というかカウンセリングのようなことをしてくれて、悩みや今後の進路の相談に乗ってくれます。
悶々と一人で悩んでいるよりも、ずっと良いです。
専属の担当者が一人ついて、二人三脚で転職活動をしていくのです。これが無料のサービスなのです。

無料だからといっても、その質は高いと思いました。
やはり多くの失業者を相手にしているのでその経験量が違います。
そして親身に相談に乗ってくれるのです。

転職活動開始当初、ワタシは新しい分野で就職し安定した職場を希望していましたが、カウンセラーの方は「キャリアを切らさないように新卒で就職した業界と同じ業界の方が良い」とのアドバイスをくれました。
数々の転職者を見てきた方のアドバイスに従うことにしました。

ハローワークの職業相談では、まず自分の経歴の洗い出しから指導してくれます。
自分の過去を振り返りどこを目指して将来の就職先を考えたらいいか指導してくれます。

正直、学生時代に出会いたかった指導者でした。

履歴書の書き方の指導も行ってくれます。
特に職務経歴書と志望動機の書き方は何度も何度も添削してくれます。

ワタシが自宅で文書を作成している間に、カウンセラーがワタシの希望にあった求人情報を探してくれています。
良いと思われる求人情報があるとタイムリーに連絡をしてくれて、面談日時までセットしてくれます。

専門家がここまでやってくれる無料のサービスがある日本のセーフティネットはとても充実していると思います。

1ヶ月も指導を受けていると、自分の進むべき道がはっきりと見えてくるのが実感できるようになります。
職務経歴書と志望動機がブラッシュアップされて、自信をもって面接に臨める状態にまで仕上がって行くのが分かります。

カウンセラーの薦める求人情報に面接を申し込みました。
トントン拍子に進んでいきますが、その会社は時間がかかりました。
面接も何回か行いその間に筆記試験や健康診断などもありました。
どうしてもその会社に行きたいという思いが強かったわけではありませんでした。
拘束時間が短い変わりに給与面では希望に届かなかったのす。
そのため同時並行的に面接を進めていました。

トントン拍子に面接が進んでいるのを見てカウンセラーがこれを受けてみたらどうか、と薦めてくれた求人情報がありました。

  • 年間休暇は123日
  • 社会保障・厚生年金あり
  • 昇給・賞与あり
  • 残業なし
  • 給与面も希望を大きく上回る

条件はとても良いように見えました。
しかし、会社を知らべてみると専門の資格取得者が多く少数精鋭で専門的で高度な事業を行っているように思えました。
ワタシのような無職の期間が多く専門の資格も何も持たないものが入れそうな会社ではありませんでした。
でも、ベンチャーの適当な会社ごっこを経験したワタシは、この会社で専門の知識を持った人たちと一緒に働いてみたいと思いました。

その会社に面接の申し込みをする直前、トントン拍子に進んでいたところから内定の連絡がありました。

ワタシはどうした良いか戸惑いました。
わざわざ内定が出たのに、さらに背伸びした会社の面接を受ける必要があるのか、疑問に思いました。

カウンセラーに相談していみると、こんな風に言ってくれました。

「内定が出るときは次々に決まるものです。複数内定をもらって後から決めればよい。」

ふつうびと
でも、断るのは失礼じゃありませんか?

「失礼なことはない。親戚のところで紹介された会社に就職が決まったとでも言って断れば良いのです。」

面接でアピールしたこと

内定を一つ取っているので、今回ダメでもなんとかなる道筋は立ちました。
となると、思い切った自己PRをしてみようという気持ちが湧いてきました。

ワタシは職務経歴書と志望動機とともに、司法書士試験の模擬テストのA判定の成績表を添付したのです。

練りに練り込んだ経歴書には挫折の日々も綴られています。
そのうえで、次のようなことを冷静に説明しました。

  • ワタシには誇れる資格は何もありません。
  • いたってふつうの人です。
  • というか職歴に空白があり、むしろ変です。
  • ですが、ワタシは職歴の空白の期間に3年間司法書士の勉強をしてきました。
  • それは学生時代に勉強をしてこなったツケを払ってきたのです。
  • 資格はありませんが、ワタシには知識があります。
  • 模擬テストでは合格レベルまで到達しています。
  • しかし、試験は失敗しました。
  • 何回か受験すればいつかは合格できるはずのレベルにいます。
  • しかし、ワタシには年齢的に時間がありません。
  • 1年に1回しかない試験でさらにもう1年無職でいるわけには行きませんでした。
  • 資格はありませんが、皆さんと同じ職場で実践しながら、さらに知識を磨いていきたいのです。

今振り返ると、よくこんなことが言えたなあと思います。
相当、切羽詰まっていたんだと思います。
そして、カウンセラーの方の励ましがあったからここまでできたんだと思います。

面接の手ごたえはありませんでした。
ただ、言いたいことは言った、やることはやったというさっぱりした満足感はありました。

また、一週間くらいあとに連絡がくるのかなと思って自宅に帰ると、
先ほど面接を受けた会社から電話がありました。

「キミと一緒に働きたい」

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